by Shogo Suzuki

小川と風と鳴き声と
木々の擦れ合う心地よい揺れ

その夜
「音」を集めるばかりの男が
ひとりで、泣いた。

なんで泣くの?
なんで泣くの?

一度目は他人が
二度目は自分できいてみたけど、

男は何も言わず
ただ、泣いた。


集めた「音」がテープレコーダーから
さわやかに満たす部屋の中


男は、声を出して泣いた。

(なんで泣くの?)
ぼくは、そんな言葉を飲み込んで

そういう夜もあるんだと
思った。



  

泣く