2006年5月2日(火)
1日目

関空→アムステルダム→バルセロナ


外は雨。
さっきから同じ飛行機がじ〜っとしている。今、僕は関西国際空港の喫煙ルームでタバコの吸いだめをしているところ。これから16時間…、アムステルダムで乗り換えるので、そこで吸えるかもしれないが、仮にそうだとしても13時間、吸えない。だから……、ゴホッ、ゴホッ、オエッ、一気に吸い込んでいる。
僕の飛行機はKLMオランダ航空868便。11:15am関空発アムステルダム行き。ヨーロッパ系のキャリアなんて、ルフトハンザぶりだ。このくもり空、ちゅーか雨、の下でもこの水色、うん、なんか好きだな。

ゴールデンウィーク真っ最中。でも、今日がおそらくは一番空いているだろう。9連休に挟まれた平日の、それも2日目。とはいえ、大阪駅8時発の空港バスは、補助席まで埋まるほどの満席状態だった。空港に着くと忙しい。ボーディングして両替して、あ〜、あれもして、これもしてと気は急くが、いちいち並んでいる。まぁ、これでも空いている方なのかと思いつつも、それでもやはりGWの空港は、人が多い。まずKLMのカウンターへ。E-TICKET初体験。すでに取られている31Aのシートを確認してボーディングチケットにかえる。非常口横の窓側というベストシート。前が広々!なんて素敵!今回は航空会社の人に取ってもらったので、安くしてもらった上に、席までこんないいところを。本当に有りがたい。あ〜KLM最高です!みなさんもKLMに乗りましょう!と宣伝したくなる。

次に両替。よーしゃべるオバちゃんの後ろに並ぶ。関西人の僕からみてもよーしゃべる上に早口。今やテレビでしか聞かれないような典型的な単語まで登場する始末。「うち、こんなん初めてやさかい、もう色々ややこしいて大変やわ、なぁ〜お父さん」と、隣に並んでいるご主人にバトンを渡す。静かに「あ、うん」と頷くとかと思いきや、これがまた、ご主人まで機関銃の如くしゃべる。「で、兄ちゃんはどこいくんや?」という言葉から十五分、確かに僕は「バルセロナに行く」と答えたはずなのだが、気付いたら泉南にある旅行会社の、カウンターに座る女性の悪口になっていた。……、もう、わからん。何がどうなってどうなったのか。確か、「あ〜オリンピックのあったとこやな?」ぐらいまでは繋がっていたが、「オリンピックといや、今、梅田でどうのこうの」ぐらいから、まったく繋がらないことの連発。愛想笑いと相づちを繰り返しながら、はよ、順番来い、、、と待ち続けた。「で、兄ちゃんはいくらぐらいユーロに替えるんや?」と聞くので、「5万円ぐらいです」と言う。「そうやろ、なぁ、お父さん、そやさかいに言うてるやん」とオバちゃんはご主人をせっつき、二人で占めて25〜26万円をユーロにしていた。彼らの旅先は北欧。しかもツアー、しかも、7日間…。25万円も何に使うのやら。ま、いいや。

両替を済まして、少し離れたベンチでぼんやり座っていると、さっきのオバちゃんがやてきて、「通貨がバラバラでかなわんわ」と文句をいってきた。「ほんま、ですねぇ」と愛想笑い。

学生時代、僕はアメリカやヨーロッパが好きで、お金のない中でウロウロとしていた。ポンドがベルギーフランになって、それをまたフランスフランに替えたり、マルクやらリラやら…。が、今やユーロ。ふと考えてみると、僕はユーロになってからヨーロッパに行くのは始めてなのだ。


今、機内に乗り込んでこれを書いている。素敵すぎる。前にな〜んにもない。バタバタさせる両足がフリー!なのだ。この広々さ、視界の広がり。大袈裟ではなく、飛行機という感じがしない。


今、これをアムステルダム、スキポール空港のD77ゲートで書いている。
11時間半のロングフライトを経て、ここからバルセロナに向かう。ヨーロッパ内など感覚的には完全にドメ扱いなのだろう。実際フライト時間も2時間ほどだしね。日本人団体様ご一行以外は、すべて欧州人。もう、最近は特筆すべき事ではなくなったが中国人が多い。またあの言葉の鋭さ?激しさ?が、大量を想わせるのかも知れない。きっとそうだ。

関空からアムスまでの11時間半のフライトについても少し書こう。席は非常口のところなので本当に広々。加えて、僕らの“しま”を担当するアテンダントが超がつくほどキレイ。これで僕のテンションもあがってくるってもんだ。テイクオフ。…と、窓側のところからポタポタと水が落ちてくる。ん!?眼下に遠ざかっていく関西インターナショナル・エアポート。前に座っていたアテンダントが僕に歩み寄り、、、え、え、え、ドキドキする〜、と勝手にえらいことになっていると、「水、たれてるね…?」と困った顔。ティッシュでふいてくれた。実は、そういわれるまでそれが水滴だなんて思っていなかった僕は、テキトーにThank Youと言っておいた。

ドリンクのサーブが始まる。まず、ビールをもらった。このビールでいい感じに酔っぱらう。(なにせ日本時間では真っ昼間だ) と…、心配そうにまたアテンダントが来て、ティッシュを2、3枚僕に渡して「Keep it」、ほんでたれたらふけ!と。は〜い、と従順な生徒よろしく「かっわいいなぁ〜」と思っていたり、した。しばらく本を読む。今回の旅には、「茶の本」の翻訳版を持ってきた。形式の美とやらに納得。

うん、うんと頷くように本を読み進めていると、いきなり、「ジャジャ〜ン」と両手にセロテープをつきだして、あの綺麗なアテンダント再登場。たれているところにティッシュをはろう、と。「で、どこなの?」と、たれているところを聞かれるが、正直わからない。だから、そんなに気になってないんだけど…、でもかわいいから「う〜ん、メイビー、アラウンド・ヒア」と指さして、“共同作業”でティッシュをはった。噂にたがわぬオランダ人気質か?その綺麗な、スラッとした、アテンダントは、ものすごくテキトーだった。セロテープを口でひきちぎり、ティッシュの上からテープをパンパンやるもんだから、くしゃくしゃになるだけで、ペラ〜と舞い落ちてしまう。チッ!と舌打ちをして、すぐ近くにあるトイレからまたティッシュをもってくる。何度か同じ事を繰り返して(結局最後は僕が全部はったけど、「ワンモアー」とテープをちぎってもらいながら)ようやく貼れた。良かった、よかったといいながら、「変な臭いとかはないよね?」というもんだから「ノープロブレム」と両手をふった。

と…、後ろの席から「ここも」と声をあげる日本人カップル。「ここも」といったのか、「ここやで、そことちごて」といったのか。何人かのアテンダントがよってきて、またティッシュをはっていた。まぁ、その後11時間のフライトでは何の問題もなかったけど。

機内では、夕食(ペンネとチキン)と、6時間ぐらいたったときに、カップラーメンとアイスが出て、最後にパスタのボックスミールがでた。前に開放感があるからか、ものすごくゆっくり味わって、ビールにも酔って、コーヒーでくつろげた。トイレにさっと立っていけるのも、こういう気分にさせてくれる大きな要因だろう。(まぁ、トイレが前だけに、なんでか連れ立ってくる日本のおばちゃん軍団がたむろし、挙げ句屈伸運動なんて始めてバタバタもするが…)。

11時間半のフライト。でも、プライベートテレビでは、映画やゲームがあるし、本を読んでいたり、そのMOVIE PROGRAMから「NANA」を見ていたりするとウトウトと眠り、完全に眠ってしまうと食事か前でたむろするオバハンに起こされるのを繰り返した。自由に11時間半がくつろげるツールがそろっていた。

KLM、僕は好きだ。「キングコング」をみながら眠り、また起きて巻き戻して見ていると「着陸体勢」にはいり、途中で、えらく豪勢なヘッドホン(ビジネス客用)を回収された。終わってみると、いつもはやいが、この11時間半は快適にはやかった。ただ、シートが硬めで、恐らく人間工学的に硬いところと柔らかい所が考えられているのだろうけど、その平均値が僕サイズでは絶対ないので、ところどころいたい、のが玉に瑕だ。


アムステルダム・スキポール空港。
さすが欧州きってのハブ空港だけに広い。僕のトランジットは1時間しかない。タバコ!タバコ!と気がはやる。そういえば、このフライト中「お客様の中で医療関係者の方おられませんか」というアナウンスがあった。あんなのドラマや映画の中だけかと思っていた。どうも急病人が出たらしく、その人を下ろすために着陸後しばらく待機させられた。

空港のFターミナルについて、Dまで移動。降りてすぐに、バーのようなところで、オープンカフェになったテーブルに灰皿があったので、そこで何も頼まず一本すった。ビール片手のおっちゃんに苦笑いされたが、結果、ここで吸っておいてよかった。あとはスモーキングルームなんて皆無だったから。

シェンゲン条約上、ここからスペインに飛ぶ僕も、ここオランダでパスポートコントロールを通る。なんとまぁ、トルコのスタンプの上に重ねて押された。まだ後ろの方あいてるやんと不機嫌。パスポートの顔も何回もチェックされたし。しっかも、日付が2006.05.01になってるし、これって…絶対あかんやん。この旅で僕はパスポートを更新する。ペラペラと捲りながら、大量に押されたスタンプを眺める。どこ?これ、というスタンプ多数。今もって謎だ。

アムステルダムからバルセロナまでは2時間。僕の飛行機はKL1675便。3列シートの通路側19のC。サンドイッチとビールを食べて本を読んでいた。

現地時間19:30頃、まだ全然明るいバルセロナ・プラット空港に到着した。もう入国しているのでそのまま空港の外に出て、よーやくタバコを吸い、エアポートバスでカタルーニャ広場へ。自販機でチケットを買うのだが、10ユーロ紙幣が使えず、、、えっ?と思って後ろのドイツ人女性2人組に「どうなってんでしょー」と訴えると、「どれどれ」と彼女たちがトライしてくれる。彼女らはコインも持っていたので、それを入れたり、クレジットカードを入れたり…。結局、買えず。

バスがきたので、僕はドライバーにチケットが買えないというと「来い、来い」と手招いておつりをくれた。市内まで3.75ユーロ(約540円)。コインもわからず、なぜか1ユーロコインとあとコイン3枚が渡され、席につく。動き出したバスの中で、数えてみると、やっぱり違う。少ない。「え!ちゃうやん」と、運転席に行く。と、「お前がさっさといくから…」みたいな顔で、ドライバーは横においてあった5ユーロ紙幣をくれた。

バルセロナの街は工事が多い。それにしても本当に久しぶりのヨーロッパだ。40分ほどでカタルーニャ広場についた。20:30になってもあかるい。僕は日本からネットで予約しておいた宿に向かう。ランブランス通りに入って南下、1本目を左折したCanuda通り沿いにあるHostal Campi。マンションの数フロアを宿にしており、下のインターホンで呼びドアをあけてもらう。1泊25ユーロで4泊分、100ユーロをクレジットカードで払った。ファイナルアカウントは14,830円と記されている。部屋はものすごく狭いが、すごく綺麗で、洗面台がある。トイレとシャワーは共同だが、バスルームがすぐ目の前なので不便はない。灰皿がない以外、完璧だ。パックをほどいてから、クローゼットに服を出す。少しだけランブランス通りを歩いた。

宿の前でスプライト1.15ユーロで買うと、店員の女性があめ玉を一つくれた。ランブランス通りは、目抜き通りだ。きっと昼間は楽しいのだろう。スプライトを手にブラブラ。

そこにあったスーパーマーケットに入り、ソルト&ビネガーのチップス(Lay’s)1.13ユーロと、水0.39ユーロ、ゲータレードのオレンジ1.09ユーロで買い、冷えたビールをウロウロさがしたが、なかったので諦めた。そう、あんまり冷えたドリンクがないのだ……。お金をまだ覚えていないので、行列の中、さっさと払うバルセロナっこの中で、僕はレジで戸惑い、店員にコインを見せてピックアップしてもらった。宿にもどってシャワーを浴びる。僕の部屋よりも広いバスルーム。快適だが、複雑だ。日記を書きつつ、眠る。現地時間では11:00pmだが、日本時間でいうと翌朝6時。疲れた。窓を開けていたので少し寒いが、途中、一度目が覚めて、電気を消してからというもの、熟睡できた。

さぁ、これから僕の旅が始まる。



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