.

.

ふだん目にする風景が文化財として評価される。文化的景観とは、「自然と人間の共同作品」と定義され、ここ十数年の世界遺産のトレンドとなっている。(朝日新聞2008年7月3日参照)

歴史的な景観。例えば、寺社仏閣、分かりやすく言えばアテノのパルテノン神殿などは、長い歴史を通じて「遺産」として守っていこうというのはすぐに納得できる。が、文化的とは?それが景観? 今までならどうも掴みにくかった。そもそも景観を文化として捉えだしたのもここ40年ほどだと言う。人が生活し、その上に成り立った景観。茶畑や古本屋街なんかもそうなる。つまり、そこに生活する人が、意図して造り上げた景観を文化ととらえて守っていく。

世界の遺産とは、後世に語り継ぐべき価値あるものを、守っていくというのが本意なので、文化的景観という側面からいくつかの候補が生まれているのだ。日本で言えば、浄土思想を基調として創り上げた平泉の景観が、今、候補となっている。