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デザインあ展 @東京
2013年04月20日

佐藤卓、中村勇吾、コーネリアス(小山田圭吾)という3人が展覧会のディレクター。Eテレで放送中の「デザインあ」を展覧会というかたちで発展させた企画。グッドデザイン賞を受賞した「番組」だけに音楽がかっこいい、映像がすばらしく構成がなんともアート。そんなイメージのまま、触れる、遊べる、学べる、体感できる空間だった。今まで数々の企画展に足を運んだが、その中でも印象深いものになった。

〜展覧会フライヤーより〜
展覧会のテーマは「デザインマインド」。音や映像を活かしながら、全身で体感できる展示を通して、デザインマインドを育むための試みを、さまざまに示していきます。

毎回、興味深い企画展を展開する21_21 DESIGN SIGHT(六本木ミッドタウン)だけに期待感は高かった。が、小雨のふる午後に外で待たされるとは思わなかった。混み合っているため、入場制限。数人が出れば、数人が入れる。館内が混雑して動けないというのは、今回の企画展にとっては致命的。それだけ体感する企画が多かった。


まずは立体になった「あ」と、一本足りない「あ」の前で記念撮影。階段を下りると動く「あ」で何人かがおもしろおかしいポーズ。自分もやってみる。これが結構、はまる。そして、「モノ・オトと映像の部屋」へ。コーネリアスが作ったセンスの塊のような空間。目と耳と頭で感じる8分間。4面に映し出されるカラー、まる、しかく。そして、真ん中の丸テーブルに置かれたオブジェクト。すごい、と感動しっぱなしで、3周りぐらい見たような。トイレ休憩を挟んで、もう一回みた程。すばらしかった。


別部屋に移動。ここがメインルーム。まずは人気企画「解散」の解散されたイクラの軍艦巻きなんかが展示されている。分厚い雑誌や本がフォント、色、綴じ紐にわたるまで解散されている。カップやコップの文字が解散されていたのは面白かった。別のテーブルでは醤油さしが醤油を差す様子や、本のタイトルの上下を入れ替えて組み合わせる「ごちゃまぜ文庫」、イクラとトロの「ちょうどいい大きさ」を探る展示などが続く。


入り口で渡された財布の形の紙。何だろう、と思っていると「こすってみコイン」という展示。世界中のコインが貼り付けてあって、その上に紙をおいて色鉛筆で模様を浮かび上がらせる。龍やら像やら、とにかく愉しい柄を選んでこすってみた。後はなんでも100円分の展示が面白かった。水は何本ものペットボトルに入ってたり、綿ボコがあったりいろいろ。公園の砂なんてのもあった。


「あな」は小さな穴から覗くと、その奥に広がる世界を楽しむもの。例えば、星形の穴を覗くと、マヨネーズがサラダにかけられていたり。

奥に行くと、デッサンあがあり、別の部屋には「ペンギン物語」。これがかわいかった。クールミントガムのパッケージのペンギンが立体映像で動く。転んだり、歩いたり。

特殊な虫眼鏡?のようなモノで見ると、真っ白いスクリーンに柄や模様、写真が写る「音めがね」を超えると、作業台のエリアにでる。「あ」の形の花壇が、なんとも不思議に見える。芝生も「あ」の形で切り抜かれている。

最後はまたコーネリアスの展示。音の廊下。ちょうど耳の高さで「あっ」と響いたかと思うと、遠くでこだましたり。歩いている人をセンサーで感知して、「あ」のハーモニーを聞かせてくれる。

体感できるアート。デザインマインド、デザインの「あ」。

リピーターが多いのも納得のおもしろさだった。