宮下公園を整備してMIYASHITA PARKへと移りゆく渋谷。建築家の父と、母、姉と弟という「普通」の4人家族。サービスエリアでの食事が、家族で食べた最後の外食。別荘での出来事。小学生の息子の無邪気な浮き輪、水中メガネ。仕事と家族。建築家の父が選んだ選択肢。仕事の成功、家族の崩壊。
そんな10年を、少年の目を通して描いた作品。街の変化も、家族の激動も、どこか遠くから見ているだけ。見晴らしのいいところから、傍観している世代。この作品からはそんなメッセージを感じる。
静かなリズム、大都会の喧騒をコンピューターのはじくようなBGMで刻んでいく演出。気持ちの爆発を、飲み込んだような静寂。姉と弟との会話、父親との再会、職場でのこと。街の裏側の顔を見せつつ、構成としては、花の配達というのは、画として非常にしっくりくる。
この作品は、何より黒崎煌代という俳優の初主演作。この先、大きく成長するだろう大注目の俳優の最初の一歩ということでも注目を集めている。そして、彼の湿度というか、温度感が、この作品に大きな影響を与えているのは間違いがない。
個人的には、このようなテアトル的な作品(と勝手に呼ぶが)にしては、分かりやすい演出や技法が多く、とにかくキャッチーで普遍的な映像の数々が心地よいと感じた。
サービスエリアでこいのぼりは毎年のように外れ?怪奇現象の電球落下のまさかの回収も、この作品の重みだろう。
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見はらし世代
Brand New Landscape
2025年(日本)
監督・脚本:団塚唯我
出演:黒崎煌代
遠藤憲一
井川遥、木竜麻生
菊池亜希子、中村蒼 他