無色無音の賑わい
太陽が賑わう時間になって
外に飛び出してみても

色が無く、音も無い
風だけが強い森の中だ

ぼくはひとり
サイダーを思い切り振り
蓋を開ける真似をして遊んだ

木々も虫も草も土も
想像でしかない全ては
どれもがただシルエットで

驚いたり 叱ったり しない

太陽を見上げると
日差しだけがやけに強かった

まるで
全ての波長を吸収するかのように
もしくは
全てを反射しているかのように

色がない
のに、木は木で、虫は虫だ
そして、奇妙なほどに静かだ

ぼくは恐らく
眠っているのだろう
目の前の
無色無音の賑わいを
そっと吸収しては
知らないうちに反射しながら……



  
by Shogo Suzuki