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イスラム教とキリスト教は同じ神……



「イスラム教とキリスト教は同じ神、天地創造の神をあがめるのだから、合意と協力の余地は十分にある。衝突が起こるのは、イスラム教やキリスト教が誤解されるか、政治やイデオロギーのために操作されたときだけだ」(Newsweek, 2006.09.27号より)

これは9.11テロの3ヶ月後、故ヨハネ・パウロ2世が発した言葉。ローマ法王として世界中を飛び回り、ガリレオ・ガリレイに謝罪し、イスラム教のモスクに入った人。全世界の6人に1人がカトリック教徒だという中のトップ。キリスト教徒ではない僕からしても、魅力的な人物だった。

この言葉を今、改めて記すのは、今のローマ法王、ベネディクト16世が9月12日、ドイツの神学校で発言した「誤解」と、それに伴う反応を見てのこと。過激派や原理主義、それにともなう宗教の名の下に行われる流血事件を、どこかひとくくりにしたかのような「引用」。

「同じ神」。これはすごいことだと思う。そういえる先に「同じ人間」という感覚があり、だから「平和」へと直結するようにも受け取れる。今の法王が云々というつもりはまったくないが、ヨハネ・パウロ2世が言ったこの言葉の先、「平和」っていうものには固執していたい。