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恐らくフランス語に堪能な人や、国際情勢に詳しい人からすれば敏感なコトバだろう。

ラカイユとは、「社会のクズ」という意味。このコトバが新聞紙上に登場するのは、現フランス内相のサルコジ氏のテレビでの発言がきっかけだ。

国内にいる移民の若者が、不満を爆発させるように暴動を起こし、05年10月の末からパリ郊外を始めフランス国内で車への放火を続けている。一晩に数千台が燃やされた11月6日をピークに減少傾向にはあるが、サルコジ氏は強気の姿勢を崩さず、ラカイユ発言を続けている。暴動が起こり始めた時期、このサルコジ氏の発言が暴徒と化した若者たちを刺激する、と批判もされたが、あまりにも長びく状況にフランス国民の多くが支持するようになり、そんな世論を背景に再びラカイユだと言い放った。

職がなく、安定からほど遠い移民たちの現状を、「クズ」と切り捨ててしまっていいのか。ベルリンやブリュッセルなどにも一時は飛び火した。「移民」。ヨーロッパの国では、その受け入れに寛大だった時代から時が流れ、様々な問題が起こり始めている。
頑なに移民への門戸を閉ざす日本からすれば、「ほら、いわんこっちゃない」ということになるのか?こんな考え方にぼくは絶対反対だが、、、まぁ、そう考える人も多いのだろう。
ちなみに、このサルコジという人物は、EU憲法の成立に足踏みして、アメリカとの関係もうまく修正できないシラク大統領の低迷の中、虎視眈々と狙う「次期」大統領、有力候補の人物だ。

ラカイユ