ベルリンの壁が崩壊してから25年を迎えた今年(2014年)。

ローマ法王は、バチカンのサンピエトロ広場で開いた日曜恒例の祈りの集いで、

「世界を分断している全ての壁」を壊そうと呼びかけた。

法王は「依然として世界を分断している全ての壁を

崩壊させることのできる『出会いの文化』を広めよう。

必要なのは(人々をつなぐ)橋であり、(分かつ)壁ではない」

と強調した。(毎日新聞より)

世界の壁。

それは民族や宗教の違いなどで本当に築かれるものであった。

が、最近は、違う。

その壁が、本当に見えにくくなっている。

経済格差、性差別、LGBTの問題。

壁が、はっきり見えていると、その壁を見ながら向こう側を見ようとする。

向こう側のことを考えて、歩み寄ろうとする。

が、壁が見えにくいので

そこに壁などないと思えば思うほど、

壁は強固で頑丈に存在する。

世界の壁は今、

非常に見えにくく、

確実に、存在しているように思う。


2014.11.30記