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大阪・新世界散歩
2008年07月20日

攻撃的な配色と配置で迫ってくる店舗の看板群は、どこか香港を感じさせる。今年一番か?と思わせるほどに暑かったこの日、携帯メールで「暑い」と打ったら出てくる温泉マークが、妙に言い得ていておもしろいほど。背後の「世界の温泉・スパワールド」で汗を流したいと何度おもったことか。同行者Oが「うん!」と賛同さえしてくれていれば、間違いなく行っていただろうな。

コテコテの大阪。そんな言葉をよく聞く。そのイメージにぴったり来るのは、やっぱり通天閣かな、と勝手に思っている。たこ焼き、かすうどん、串カツ、クリームソーダ。カフェじゃなくて喫茶店。蒲焼き屋の店頭に置かれた水槽では、直射日光を浴びて、おそらくは「お湯」になっているだろう中、生きたうなぎが泳いでいた。下に「悶絶の旨さ」なるコピーがある。悶絶しているのは「うなぎ」だよと突っ込んだら、そのすぐ隣に、おじさんがしゃがみこんでタバコを吹かしていた。

「どんな街やねん?」

歴史は古く、通天閣ができ新世界がスタートしたのは1912年。その後、大阪大空襲で焼けた街は、復興し、二代目の通天閣が1956年に開業。

将棋に囲碁、カウンターだけの店に肩がぶつからないよう「斜め」に座って串を頼み、二度付け禁止の薄めのソースにどぼっとつける。キャベツ盛りをつまみにビールを飲んだら、路地を進んで空き地へ。ヨタヨタと、ホロホロと。なんというか、アジアだ。
一言でいえば、「ええかっこ」したところがない街なのだ。