堤防


秋晴れの昼下がり、堤防の上からゆったり流れる川を見る。
眼下には河川敷のグランドか広がり、
少年野球の子供達の声……、
コーチするパパのがんばりと、
母親達の用意するお茶にレモンにハチミツ。
左ではサッカー、右側ではテニス、
その奥ではチアリーダーたちが練習している。

休日+晴天+枯れ草のクッション。
堤防に座っていると、ホッとする。

ホッとして寝転がる。
目の前を、試合終わりの少年達が自転車で通る。
勝った、負けた、はたまた「お前のせいでまけた」…なんて
いいながら。塾通いの子供にはないであろう真っ黒な
顔が、この季節になって地に馴染んでいるというか、
太陽の下だというか。とにかく、「いいな」と思う。

段ボールのソリで滑り下りる少女がキャーと笑い、
外国人のサイクリストが器用に片手でドリンク補給をする。

暖かい秋だな、と思って目を閉じると、またホッとした。


(荒川の堤防にて)