青森で生まれた棟方志功がゴッホの絵を見て目覚めた少年時代から
作品を生み出す一生を、豊富な作品と丁寧な解説で展開する本展。

青森から東京、そして疎開先の富山、再び東京。
様々な作家やアーティストとの交流を等して
世界のムナカタになるまでを、そしてその後を追っていく。

個人的には、戦後、インドやニューヨークなどで触れた
刺激ある光景とそれを描いた作品の数々に魅了された。


まずはプロローグ。出発地、青森の作品から始まる。


「八甲田山麓図」





そして、東京に出てきて、東京の青森人との交流がある。

「東京弁稽古の図」






ムナカタ少年が衝撃を受けた、ゴッホのヒマワリ。






「ベツレヘムに聖星を観る」






「十和田・奥入瀬C」






「桃真盛り」






「大和し美し」








「観音経曼荼羅」






「華厳譜」










「東北経鬼門譜」

この屏風は見事で、本展の中で最初に出てくる大作。







「門舞男女神人頌」








「幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風」

まずは全体像をみて作品全体からにじみ出る力を感じ
近づいて細部をみる。豊かな曲線と表情に感嘆の笑みが出る。




「基督(キリスト)の柵」






「灼員大聖天不動明王尊像」

絵も書も本当に伸びやかだ。





「慈潤」

この書は特に胸打つモノがある。






「二菩薩釈迦十大弟子」

版画で出せる線の豊かさが知れる名作。





「法林經水焔巻」

疎開先の近辺をご近所マップの感覚で描き上げた作品。






そして、大作。このふすま絵は、大胆かつ繊細で、しばらく作品の前で
ぼんやりと佇んでしまう。

「華厳松」








「稲電・牡丹・芍薬図」








「群鯉魚図」






「女人観世音版画柵」






「瞞着川版画巻」






「鍾渓頌」






「道祖土頌」

版画で表現する線。白場は掘ってしまうので表れないが黒の中の白い線は
作者の意図を表現する。







「歓喜頌」

ベートーベンの世界観を表現した作品。





「谷崎歌々版画柵」

谷崎潤一郎の世界観を表現した作品。






「追開心経の柵」






「不来方版画柵(雨ニモ負ケズ)」








「いろは版画柵」






「宇宙頌」






「Standing in Manhattan」






「ハドソン河自板像の柵」






「華狩頌」






「花矢の柵」






「ホイットマン詩集抜粋の柵」




個人的には、このニューヨークでの作品が
なんとも独特の世界観で好きだ。







「飛神の柵」






「青森凧絵」






「厖濃の柵」

人の草野心平とインドを旅行し、
カジュラホのミトゥナ群像に着想を得た作品。
横幅7メートルの大作。







「東海道棟方版画」






「ニューヨーク近代美術館図」






「大印度の花の柵」






「自画像」





棟方志功自信が生きていた120年前からの生涯。
時代が進み、それにともなって彼自身も「移動」しながら
その土地土地で発想を豊かにし、そして着想を得たままに
表現していった。

最後に棟方志功本人のインタビュー映像が流されており、
実際に掘る姿がある。

板に極限までに顔を近づけて掘る姿は
一心不乱、そのもの。

これだけ細かい視界の中で
あれだけの大作を仕上げるのだから
素晴らしいの他に言葉はない。



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The Making of Munakata Shiko
生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ

@東京国立近代美術館(東京)
2023年9月20日(金)