ガウディという建築家の展覧会なので、
本物の作品(建築物)を展示することができない以上、
いろんな仕掛けで見せることになる。
今回の展覧会は、新たな体験を創り出す集団、NAKEDの仕掛けによるもの。
映像を中心に、自分でデザインしたり、触ったり、聞いたりしながら
「ガウディを読む」ような構成だ。
特に、ガウディの自然美、曲線、柱、モチーフなどが
実際に触って体感できるところが素晴らしい。
ドアノブや椅子は、今も感触として残っている。
もちろん、重力に沿ったデザインと構造で、
それを逆にして天へ昇るように作りあげた建築の数々には、
理科の実験のような「なるほど感」が芽生えた。
ただ、入館料2,900円(土日祝)を堪能するには、混雑しすぎていた。
倉庫なので仕方ないのが、やはり導線の悪さが際立ち、
見せようとした空間の半分も、体感させようとした三分の一も
感じられなかったのが残念でしょうがない。
展覧会の構成は、ガウディ展のイントロダクションの部屋を抜けると、
まずはガウディが幼少期を暮らしたレウスの森を模した部屋へと続く。
ここで、木々の枝ぶりや虫の羽、花の螺旋など、
自然の中にある「形」から彼は建築思想の礎を得たと解説する。
実際に、ガウディが使った建築美を模型で示してくれる。
模型や映像が多い中で、ガウディが学生時代に実際に書いた図面もあり、その細密さにうっとりくる
そして、若きガウディが暮らしたバルセロナの部屋へ。
ここでは、19世紀末、街じゅうが熱気に溢れていたバルセロナの様子を
プロジェクションマッピングを使って体感できるような仕掛けになっている。
バルセロナの建築物を、手で触れて広がっていくイメージ。
次に、紐と重りを使った“逆さづり模型”フニクラを始め、
自由に作り出せる空間へ続き、
そのままカサ・バトリョ、カサ・ミラ、グエル公園の模型スペースへ。
カラフルな世界を、真っ白な模型で示されると、
形状の特異性が際立ち、その白に自分なりの色を重ねて想像することができる。
ドアノブ、扉、椅子。建築家ガウディのこだわりは細部にまで及んでいる。
パネルを読みながら、ガウディの思考をたどり、
様々な曲線は自然の力に逆らわず示されていることを体感する。
この展覧会は、「見る」を超えた体感の空間だ。
頭にいれた知識を、手で触って知恵に変える仕掛けが多い。
サグラダ・ファミリアの光の演出は素晴らしかった。
実際に、サグラダ・ファミリアを訪れて、
教会の中に入り、そこから見上げたステンドグラスの見事な色の世界を、
ここでも疑似体験できた。
ガウディと作家が、数々の成功をおさめ、
最期にサグラダ・ファミリアだけに集中するようになり、
路面電車にひかれて死に、その後の内戦で模型や図面が焼け、
そこからガウディの意志を引き継いだ多くの人によって建築が進められている教会。
ここ最近の技術の進化で、一気に建築スピードがあがり、
ついに今年、中央塔が完成する。
音と光の協会。自然力学に準じたオリジナリティ。
無理をしない特異な形状。
知れば知るほど、サグラダ・ファミリアがいかに素晴らしい建築物かがわかる。
未完成のうちに行き、完成間近で刺激され、
これはもう一度、足を運んでみたい。強くそう思わせてくれた。
最後はNAKEDが仕掛けるインスタレーション。
ガウディの頭の中でパ〜っと広がっていくイメージを、
カラフルなダンデライオンで具現化した作品だった。
ふーっと息を吹きかけて、綿毛が舞うようにイメージがわいてくる。
この作品も素晴らしかった。


























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NAKED meets Gaudi Exhibition
ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展
@寺田倉庫 G1ビル(東京)
2026年1月31日(土)

