「化合物的カルチャー」

例えば、銀座や丸の内、六本木に恵比寿、中目黒、さらには渋谷、新宿、下北沢などなど、東京は東京でも、色んな顔があって、それっぽいヒトが居て成り立つ雰囲気があります。

それはたぶん、ヒトが街の雰囲気を形成したのでしょうけど、今となっては、その街の雰囲気に、ヒトが合わせているようでもあって。

ニューヨークでも、ロンドンでも、それは同じことなのかも知れませんが、ここ最近のインバンド。海外からの観光客が、これだけ隅々まで訪れるようになると、何だか、それまであった特別感というか、個性みたいなのが、街からなくなりつつありませんか?

まぁ、それはもう、観光都市が歩む道なのでしょうがないですが。その昔、私がまだ大学生の頃、ローマのスペイン階段から続くブランドショップ通りは、日本人だらけで、店員さんは日本語を多用していました。

ロンドンで出会ったイタリア人に聞くと、ローマで「あそこに行くのは、ツーリストだけだよ」と言っていたのが、何だか、今、妙にしっくりきたりします。

パリのシャンゼリゼ通りも言いますよね、パリの人は行かない、と。

東京も、確実に「そんな風に」世界都市の仲間入りをした、ということでしょうかね。ここから、海外からの「何か」と、その街の個性とか混じり合って、どんな化合物的カルチャーが生まれるのか、楽しみではあります。

昨日、テレビで「クレイジージャーニー」を見ながら、Awichさんが紹介するニューヨークを見ながら、なんとなく思ってみたりしました。

さて、大阪。

わが家は、この連休を使って、大阪・関西万博へ行ってきました。ホテル代が高騰して、近畿2府4県にまたがっていろんなところで泊まる、なんて声も聞きますが、私はだいぶ前に予約をしていたので、まぁ目ん玉が飛び出る程の金額で泊まった訳ではないですが。

これから夏にかけてホテルを抑えようとする人は、かなりハードルが高いでしょうね。

京都で生まれ育って、働き始めが大阪だったので、土地勘はありますが、それも、もう25年以上前のこと。しかも、オフィスが梅田だったので、ミナミはほとんど知りません。

そんな中で、ホテルを取った場所が、宗右衛門町のホスト街という、なかなかディープな感じでした。東京で言えば歌舞伎町?ですかね。

ただ、昔のイメージとは違って、この界隈は外国人目当てのホテルがどんどん出来て、もともとからのヒトと観光客が入り交じって、なんというか、ミナミもずいぶん雰囲気が変わってました。

道頓堀を歩いて、心斎橋。定期的に観光バスが横付けされて、どっと観光客が降りてきて、その時間帯(おそらく数時間の自由時間?)は一気に混雑する。たこ焼き、串カツ、お好み焼きにうどん。粉もんが、どんどん売れて、あっという間に列を成す有様。

グリコの看板の前、えびす橋は、人でごった返していました。スパイダーマンが、二人?パフォーマンスがかぶちゃったりもして。

お昼時を外して、名店「今井」できつねうどん(私はかちんうどん)を食べ、千日前を通り抜けつつ、アメ村方面へ移動しました。法善寺横丁の雰囲気は、相変わらずいいですね。あの界隈は、昔から好きです。

三角公園の前で甲賀流のたこ焼きを食べて、ビッグステップで息子がMLBグッズをあさる中、ぶらぶらと私は街歩き。それにしても、喫煙天国ですね笑。

アメ村から堀江へ抜けると雰囲気がガラッと変わって、南船場からこの当たりのおしゃれな感じが、相変わらず素敵でした。カトラリーを物色して、小さめのデスクを探しながら、持った感の絶妙なお椀に出会って、しばし買うかどうかを悩みつつ。

取り合えず、どこかでお茶でもしながら考えるかと入ったカフェで、普通のチーズケーキが、とても美味しくて、結構、歩いた自分の体が絶妙なスパイスになって、麦酒が染みました。

お目当てのちひろ洋菓子店のフィナンシェをゲットして、その後もブラブラ歩きながら、お椀、どうしようかなぁ、持って帰るの面倒だなぁ、なんて考えながら、そのまま買わずにホテルにひとまず戻って。休日の買い物って、こんな感じだったな、と思い出したりもしました。

とにかく、どこを歩いてても、大阪弁より韓国語や中国語の方がよく耳にする感じがね、ミナミもずいぶん変わったなぁ、と思わせました。昔、感動するほど旨かったお好み焼き屋が、外国人の店員ばかりになって、なんというか、ちょっとしたことの丁寧さの無さが味に出ているようで、残念な思いもしました。

東京で言えば、ラーメン屋でも、たまに感じる、あの感覚です。同じ手順で、同じ材料を使ってても、ちょっとしたところで丁寧さに欠けると、味に出ちゃうんですよね。

それにしても外国人。一番驚いたのは、大浴場でした。私たちが泊まったホテルには、スカイラウンジなる最上階に露天の大浴場があったのですが、もはや、韓国人も普通に素っ裸でお風呂に入るんですね。

昔は、外国人は裸でお風呂に入ることに抵抗があるなんて聞いてましたが、時代は変わってます。そもそも、温泉宿のようにタトゥー禁止、ということもないので、アジア系ではない方々のタトゥーは、ロッカーの鍵を腕につけてる感覚で、普通でした。

ここが大阪であるインパクトも、もちろんありました。他人と同じは、絶対に嫌だ、とばかりに主張するファッション、髪型、そもそものスタイル。ミナミの変わらないところというのは、この流行を無視した「自分がいいとおもうモノ・コト」をぶれずに表現できることでしょうね。

こればかりは、大阪の、特にミナミの、本当にいいところだなぁ、と思います。そういうごちゃまぜが、一つのスタイルになってますからね。ここへやって来るヒトは、もはや、この街に寄せてるのかも知れませんが。

外国人観光客が列をなす有名店では、日本人をほとんど見ませんが、その代わり、ちょっと奥まったり、地下だったりの所では、まだ外国人に気付かれてない名店があります。大阪在住の知り合いをたどって、そんな名店に行くのが、今のミナミを楽しむコツかも知れませんね。

そして、大阪・関西万博。

ゴールデンウィークのど真ん中。こんな時期に万博に行くなんて、ほんと失敗したな、と行く前からかなり構えていたので、入場までに40分ほど待ったことも、お土産物屋に入るのに並んだことも、あれ?え?たいしたことないな、と思いました。

東京だったら、普通にあるぐらいの待ちです。おそらく、関西人にとっては、信じられないぐらいの待ちなのかも知れませんが。これ、真夏の猛暑の中だと、過酷さかも、と、初夏の風が気持良い時期でよかった、と、それも意外に苦じゃなかったことの一つかも知れません。

万博は、やっぱり万博。国際的なイベントって、規模から賑わいから、ステージが違いますよね。大屋根リングは目の前に現れると圧巻です。みゃくみゃくがね、これ、クセになるかわいさでして。あまり「未来感」は感じませんでしたが、各国のパビリオンが並ぶエリアを歩くだけで、楽しかったです。

もう、まい泉の小さなカツサンドが800円だとか、素うどんが1000円だとか、普通のお菓子が3倍の値段だとか。そんなことをいちいち気にしていたら楽しめないので、それは、そういうものと諦めるしかないのが、ちょっとしんどいところですけどね。

この万博、1日では、とうてい足りないほどのボリュームです。だけど、何日も通える人はそう多くないはず。とりあえず、1つか2つ、絶対にはずせないパビリオンを決めうちして、頑張って事前予約をしたら、あとは、気の向くままにぶらぶら歩いて楽しむ。

それが、いいかな、と思いました。


 2025年05月06日

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