2年前に作られ話題になった作品を東京は下高井戸シネマで上演されたので観に行った。タイ映画、青春物語。恋と友情と、将来への不安と友の死。ステレオタイプのパッケージ物だが、タイ語の独特のハイトーンなリズムが心地良く(個人的に、タイ語を聞くのが好きなので)、バンコクのリアルな高校生活も垣間見られて、それらもプラスで非常に面白い作品だった。

ストーリー構成も巧みで、冒頭部分をしっかりと回収する結末、そこに至までの背景の描き方のていねいさ、そして、主演俳優の演技の上手さ。なんとも観ていて楽しいものだった。

もともとCMなどを創る監督の長編ということで、それぞれのシーンの映像美が観る者を飽きさせない。

高校生活も終わりに近い付いた時期の転校生・ペー。彼がなぜ転校することになったかの「秘密」。転校生に人懐っこく手をさしのべるジョー。冒頭、喜ぶジョー。その喜びは、短編ストーリーの入賞の知らせだから、と思わせ、突如の事故死。この描き方のインパクトも素晴らしかった。

ペーの将来、すぐに忘れ去られるジョーの死。遺影。そこからの映画創り。この辺りは、少々強引にストーリーが進むので少し残念だが、ボーケーの登場でグッと引き込まれる。

ボーケーとジョー。ジョーとペー。そして、ペーとボーケー。仲間を巻き込んでの映画作りの展開は、青春ものにありがちな安心できる展開。とてもリズムがいいので、すんなりと頭に入ってくる。

転換は、ジョーに隠された秘密。そして、重病者の友の存在。この転換にはハッとさせられた。ここからが、この作品の面白さ。後半に向けてぐいぐいと引き込まれた。

見終わって、なんともすがすがしい気分にさせてくれた作品だった。

ちなみに、バンコクの高校生にとって、やってみたいことには一蘭のラーメンを食べる、というのも入っているのかぁ、とニッポンのラーメンの広がりを再確認した。

またタイトルの妙も感じさせる。原題の「Not Friends」よりも邦題の「親友かよ」の方が、この映画の世界感を示しているように、日本人の私には感じられた。


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親友かよ
Not Friends
2023年(タイ)

監督:アッター・ヘムワディー 
出演:アンソニー・ブイサレート
   ピシットポン・エークポンピシット
   ティティヤー・ジラポーンシン
   タナコーン・ティヤノン 他

↑来場者特典のポストカード