舞台上に1人、数百人しか入らない小さな箱で、
アコギの響きと圧倒的な声。

竹原ピストルの歌に、魂に、完全に飲み込まれ、
心地よく揺さぶられる2時間だった。

「ぼくは限りない」の軽快なリズムから始まった本編は、
最低限の演出の中、竹原ピストルのギターと声だけが飽和する。
観客は、座って、じっくりと聞きほれる。
少し照れながら、スパッと切るように1曲1曲を終えるスタイルがかっこよく、
歌う前は、軽く曲名を言ってから歌いだす。
用意されたスター街道をただ歩いてきただけではない、
自力で這い上がった彼の、そんな謙虚さと這い上がるだけの
圧倒的なパフォーマンスの両輪に、一瞬で取りつかれる。

最新アルバムのリリース記念のライブツアーだが、
セットリストには有名な曲が並ぶ。

2曲目は「よー、そこの若いの」。
生で聞く、振動とともに伝わってくる力。
知っている歌が次々と現れる。
高音の響き、叫びの太さ、声とギターとハーモニカの、
どれものが驚きのハーモニーで、脳がしびれる。
観客がビートを手拍子で支える曲も要所要所で歌ってくれ、
MCも短いながら、しっかりと笑いもとって。

名曲「ママさんそう言った~Hokkaido days」は印象深い。
他にも、「あ。っという間はあるさ」「一等賞」「Amazing Grace」
「オールドルーキー」「ゴミ箱から、ブルース」「東京一年生」など。

「みんなー、やってるか!」では、手拍子だけでなく、
「やってるか」を観客が声を出して。
竹原ピストル曰く「大きなかけでした」と。

カバー曲もいくつか挟んでくれ、「なごり雪」は最高だった。
楽曲提供した「ぼくらしく」も名曲だった。

「狼煙」で締めくくった本編。

♪アンダーグランドから狼煙が上がるぞ、のし上がるぞ。
頭にまいた黒いタオル、黒いTシャツ、そして短パン。
曲と曲の間でタオルでごしごしと顔を吹き、
ギターの玄をキュキュとふく。

そのすべての音が、シーンとした会場に響く。
このあたりもすごくかっこよかった。
個人的には、曲に入る前の、
息を吸い込む音が響いてからの第一声の声の力が、
竹原ピストルが竹原ピストルと言われる所以だと思ったりする。

ガンガン胸に、心臓に、体に、乱射され、
心地よく撃ち抜かれたライブだった。

アンコールは、頭に巻いたタオルを取り、白いTシャツで登場。
「これは言わなければわからないんですけど」と
「本編でうっかり一曲すっとばしてたので、アンコールしてもらえてよかったです」と、
歌い始めたのは超名曲「Forever Young」。

♪フォーエバー ヤング あの頃の君にあって
 フォーエバー ヤング 今の君にないものなんてないさ

「東京一年生」も「Forever Young」も聞けた。
大満足のセットリストだった。

「カモメ」も聞きたかったし「はかやろ。」も聞きたかった。
また、次回、今度は中野サンプラザで聞きたいな、と。

最後の最後は、「ドサ回り数え歌」。
仕方ないことは3度ぐらいある、
けど、4度目は、仲間を裏切ったバチだし、
五度目は、あのこを泣かせた。
6度目は親不孝をした。
そんな風に、ドサ回りで切れた「弦」と「縁」。
竹原ピストルの原点が垣間見れるような名曲だ。

これだけ小さな会場で、
おとなしい観客がおおい場所がら、
ここで、これを聞けて、本当に最高だった。 


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STILL GOING ON & SHOGERUMACHI SHITAUCHI NO YOUNI UTAGA ARU 2nd Round
竹原ピストル全国ツアー2周目

@富山県教育文化会館(富山)
2023年4月2日(日)