力
は
弱
さ
の
下
に
隠
さ
れ
て
い
る
16世紀のヨーロッパ、あまりにも有名な宗教改革の時代、
ドイツ人修道士・マルティン・ルターの言葉。
大学まで法律家を目指し、名門エルフルト大学に入学したルターは、
シュトッテルンハイムの雷鳴が神の啓示だと考え修道士として生きることを誓った。
修道院に入ったルターを支えたのはシュタウピッツという男で、
彼は権力も風格もそしてザクセン選帝侯との人脈も持った良き助言者だった。
ルターの師であった。
厳格な実父(ハンス)よりも話を聞いてくれる彼を敬愛し、
シュタウピッツもまたルターの才能を早くから見抜いていた。
ヴィッテンベルク大学の講師に抜擢の他、修道院での出世も早かったのは
彼の推薦があったからだと言われている。
「免罪符販売」など当時のキリスト教会の実態に嘆き、
宗教改革を進めようとしたルターはローマ教皇との訣別に至り、
本格的な論争へと向かう。
そんなおり、年老いた心の師・シュタウピッツはルターには協力せず、
ドイツから離れて隠居生活に入った。
ルターは師も一緒に戦おうというが受け入れられず、
そんな心境を表したのがこの言葉だと言われている。
弱さをぬぐえぬ者の力は、ずっとその奥に隠れて出てこない。
つまり、弱さの蓋を開けることができるものが「強い」のであり、
力とは強者にも弱者にも、ある。
マルティン・ルターの三大書物
(すべて1520年)
「ドイツ国民キリスト者貴族に与える書」
「教会のバビロニア補囚」
「キリスト者の自由」