「抗わず、いいとこどりで。」

一歩外に出たら、うだる程暑い。突然、雨も降る。台風の影響で風が強かったり、一転してド炎天で風も無くじりじりうんざりで、「水と塩分」を呪文のようにぶつぶつ、「あ、自販機だ、水!」と思っても売り切れのバッテンだったり。

東京の夏は、ほんと大変です。気温だけで日本一暑い町、なんて言われても、東京での体感温度といったらすさまじいですよね。猛暑日なんて、プラス3度じゃきかないのでは?と思うほどです。

だからか、室内は冷凍庫状態で、外から一歩中に入ったときの「はぁー、ふー、気持ちいい」の温度に合わせて設定してるのか、ギンギンの冷凍庫状態が多いです。15分ほどいる電車の車内ならいいですけど、数時間いる職場となると、もう、半袖じゃとても耐えきれない寒さになって。

ふと、コンビニで売られてるクーリッシュを思い浮かべて、店内から外に出して、じわーっと柔らかくなる感じと、冷凍庫の中でのカチカチと。まるで、それ状態ですよね、自分の体。

(そんな過酷な)外に、出なくても便利に、スマホでしゃしゃっと、本も雑誌も買い物も済ましてしまおう、と。そんなことが主流になって、あれもこれもデシタル、デシタルで、それこそ呪文のように企業は会議でつぶやきながら、新しい技術を「アイデア屋」さんから買って、初期投資だからと高値止まりのシステム屋さんに依頼して。

ってね、これ。このままデジタルがドーっと進んで、この先、街の中心になればなるほど、サービスは人を必要としないフル機械化か?なんてSFしてたら、金曜の日経新聞に「デジタル疲れの消費者」がリアル店舗を見直す動き、なんて記事がありました。

楽で便利だからとデシタル化したら、まずは提供側、主に配達の問題で疲弊して、宅配業者が撤退、なんてニュースになりました。ならばと配達員を必要としないオート化(自動運転ドローンみたいな)で対応しようと右往左往、四苦八苦しているところに、、、

肝心の消費者が疲れてる、という状態。なんでしょうね、人間の持つ自助作用で振り戻されたのか、あるべき姿を求めたのか。

電子書籍は電車移動なんかでは便利だけど、家にいるなら「本」のほうがいいし、それ以前に書店の、あのリアルな質量というか空気感というか、つまりはリアルな所に回帰している、というか。

書店の工夫と企業努力、新しい形態のサービス提供というのが根底にあることは間違いないですが、そこに、デジタルで疲れた人が簡単で便利、を越えた何かを求めているという構図なんでしょうね。普段、自宅と会社をピストン移動している大量の人たちが、通り過ごしてるリアル店舗(への回帰)。

ちょっと足を止めて、ふとその気になれば「入ることのできる」環境(つまりは街)であれば、この回帰の動きに即対応できる提供者もいますよね。本屋に行くのに車で40分、みたいな所での生活なら、デシタルは、簡単で便利というだけのものではなく、必須、でしょうから。

なので、私がここでいうのは、私が暮らしている環境下でのことですが、例えば、航空券。一人旅の貧乏旅行でもなければ、1000円でも安く!を求めて、あちこちサイトを見まくって、それも変動していく価格で、底がどこかも、いつかも分からず、やれ損した、得した、というコレ。

仮に航空券代が68,000円だとしたら、のうちの、1000円のための気苦労です。そりゃ、20年前に比べたら、店頭に行ったり、電話したりするより早いし簡単ですけど、だからこそ(手軽になったからこそ)、「商品」は自由自在に形を変えることができて、それを探し求めるもんだから、苦労の数は同じ、というか。

簡単に言えば、何月の何日から何日の出発なら、何々航空はいくらで、何々航空はいくら。これは、予約する会社で若干の差はあっても、先週から今週で変わることはなかったんです。が、今や、エクスペディアなんて1日でコロコロ値段が変わりますからね。しかも、予約変更不可というしばり。

もう、これは、ちょっとでも得したいと思って探してしまうと疲れます。それをデジタル疲れというなら、もう、3000円高くても、「へぇー、こんなとこなんだー」、「今は暑いのか」、「このホテルだと、いちいち地下鉄で街に出ないとダメなのか」なんて、色々聞いて決めて、後になって、あれ?3000円だと思っていたら、5000円高かったのか、なんてことになっても、まぁ、いいか、色々聞けたし、もう決めたし、と諦めがつくというか(私の場合ですが)。

それよりも、必死になって安いとこを探して、いざ買う段階でこれとこれが料金に含まれてないのでプラスです、って言われるのが、たとえ800円でも損した気分になります。

自分の足で行って、手で触って、たまには口で尋ねて耳で聞いて、それで決めて買ったものなら、それは、言ってみれば「頭」で決めたのではなく、「心」で決めたようなもののようにも思えます。

<心臓>のドクドクした熱量があるので、後々になってやってくる「え?うそ!」という後悔みたいのがあったとしても、<頭>に血がのぼって「だまされた!」とは、あまり思わないというか。

まぁ、先述の日経新聞の記事にはそんなこと書いてませんが、デジタル疲れの消費者という言葉から、そんなことを思ったりしました。

三浦しをんさんが『三四郎はそれから門を出た』にまとめたエッセーの中で、パソコンより万年筆、というのは、万年筆が出たときには、墨をすらずに書くなんて、と言われただろうし、そもそも、言葉を文字にするなんて、あのおばあさんから聞くからいいのに、文字にすると味気ない、なんていうのと同じ、みたいなことを書いてました。

抗っては、いけないんでしょうね。流れというか技術というか、新しいもの、というか。そういうのに抗って、拒否すると、固執して、なんだか意固地になりますからね。本質ですよね。つまりは、三浦しをんさんのいうところの、何で書くかではなく、何を書くか。

その時、そこで、何を「どうやって」買うか、どこで買うか、どうするか。デジタルは進み、疲れ知らずのツールが出てくるだろうし、そことは反対側で、リアルはリアルで進化するだろうし。

それらの中から、いいとこどりして、消費者としては選択し、提供側としては集中して質の高いものにする。あれもこれも手を出して、どれも二番煎じの真似して提供してては、淘汰の対象一番乗りになりかねず。

そんなことを心配しながら、逆に期待しつつ、やっぱり言えるのは、というよりやるべきは、の以前に、姿勢としては、抗わず、いいとこどりで生きたい、ということですね。


 2019年8月17日



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